投資で失敗する人、成功する人の科学~メンタリストDaigo×房広治~
こんにちは、係長(@tron_ka)です。
今回は、「メンタリストDaigoさん」
総理こと「房広治さん」の対談をご紹介します。
テーマは「投資で失敗する人、成功する人の科学」です。
※2018年6月10日ライブ配信された対談から抜粋しています。
- 房広治(フサ コウジ)さんとは?
- 投資で成功する人の共通点は「マクロのつかみ」
- 日本の不動産には投資しない
- イギリスの移民政策で広がった不動産投資
- ミクロ意見が広がった失敗例:サブプライムローン
- オリンピック後に塩漬けの不動産が増えるかも
- 失敗する人の共通点
- 投資に勝てる人の思考
- ケインズの投資家としての腕前
- IMFレポートでマクロが見通せる
房広治(フサ コウジ)さんとは?
世界大学ランキング1位のオックスフォード大学を卒業して、金融業界の第一人者として国内外で活躍するお金のプロです。
【略歴】
・オックスフォード大学留学中にアウンサンスーチーの自宅で最初の下宿人となる。
・大学院在学中にイギリスのインベストメントバンクからM&Aアドバイザー部門で就職する機会を得て、ロンドンでの本格的なM&Aアドバイザーの日本人第一号となる。
・オックスフォード大学からフィランソロピー分野にてのアドバイスの協力を長年依頼され、現在はオックスフォード大学のSpecial Strategic Advisorである。
・カリフォルニア大学、コロンビア大学、ロンドン大学、香港大学、ハーバード大学などから、金融業界の第一人者として、M&A、プライベートエクイテイ投資、ヘッジファンド投資、リーマンショックと市場経済、新興国投資についての講演を頼まれる、海外での知名度抜群の金融の専門家。
房さんの書籍です。アウンサンスーチーさんに、建国のために彼が提案した投資方法にも言及されています。
投資で成功する人の共通点は「マクロのつかみ」
メンタリストDaigo(以下、Daigo):普段は総理こと房広治さんにきていただくときは、お金に関する話をしてもらっています。今日は特に「こうすれば絶対投資に失敗する」ということについてお話しします。
投資方法は、インデックス、仮想通貨投資などさまざまな手段があります。ひとによって合っている投資方法があります。また、とっていいリスク・ダメなリスクについてもお話したいと思います。それでは、お金のプロにお話を聞ける機会はないので、しっかり聞いていきたいと思います。
房広治(以下、フサ):ビットコインで短期でたまたま儲けた人を除くいた、投資で成功する人で共通している点をご紹介します。
それは「マクロのつかみがうまいこと」です。
ウォーレン・バフェットにしても、ここがとても長けています。また、ここを間違えると長期的に投資をしていくのは難しいですね。
日本の不動産には投資しない
例えば、いまの日本では不動産の価格がおもったより上がっていませんよね。「オリンピックまであがるから、購入するべき」という話が数年前にはよくありました。しかし、マクロの視点で、移民の受け入れ規制や人口推移をみると、日本の人口は増えませんね。これでは、日本の不動産は値上がりしないので、投資をしようとは思いません。
Daigo:マクロの定義は何ですか?
フサ:マクロは全世界をみたもの、マクロは個人の行動。マクロ経済学、ミクロ経済学と言われるものですね。
Daigo:つまり、みんなが何を買うか・売るかといったことを考えるのがマクロ、個人がミクロということですね。
フサ:はいそうです。世界中での多くの投資の第一フェーズは共通しています。お金がはいってくると、不動産の営業マンから「不動産を買いましょう」と話がもってこられます。
イギリスの移民政策で広がった不動産投資
実は、イギリスの移民政策のときは、不動産投資は儲かる投資方法でした。
Daigo:移民がはいると人口が増える、そして家を欲しい人が増えるので値段があがるということですね。
フサ:はいそうです。移民政策のイギリスでは、人口が増えて家をもとめる人も増えて、不動産の価値が上昇していきました。
そして、不動産を貸した家賃収入もしくは不動産の売却額が、借金をして家を買った時の金利を上回っていたので不動産投資は儲かり人気でした。
ミクロ意見が広がった失敗例:サブプライムローン
Daigo:なるほど、ではアメリカのサブプライムローンはどういうカラクリなのでしょうか?数年前に不動産価値が吹っ飛びましたね。
フサ:あれは、ミクロな意見がマクロに浸透してしまった典型的なマズい事例ですね。
どんなクズ物件でも価値が上がる、と一人の格付けをするものがいいました。多少低いものがあっても、パッケージにしてまとめて販売すればリスク分散されるから問題ないという意見です。このミクロでみた時の意見がマクロ理論まで広がってしまいました。
Daigo:田舎のボロい空き家でも「間違いなく価値が上がる」というおかしな格付けになっていたのですね。
フサ:「マネー・ショート華麗なる大逆転」という映画で、サブプライムローン問題が分かりやすく構成されていますね。
サブプライムローンで債券化された家について、みんなが値上がりすると盲目的に信じていました。そのため、実際は田舎のボロボロな家の債券を買うために、家の見学にいきませんでした。
Daigo:誰かが、「価値があがる」といったので、自分の頭で考えて投資していたのですね。昨今の仮想通貨にワケもわからず投資するひとたちと同じですね。
オリンピック後に塩漬けの不動産が増えるかも
フサ:日本でもオリンピックに向けて不動産価値があがるとみんなが言っているから、考えずに買ってしまった人が多くイます。オリンピックまでは上がると、その後は下がる可能性があるということですね。実際にこれまでのオリンピック会場になった都市もそういった傾向があります。
では、2020年までに売らなければいけません。しかし、実際に売れる人はほとんどいません。20201年になって塩漬けになってしまう不動産が増えるかもしれません。
Daigo:投資に失敗する人の共通点は何でしょうか?
失敗する人の共通点
フサ:まず、競馬とか競輪とか博打などのギャンブルが好きな人ですね。競馬・競輪では自分のかけた金額の25%が胴元の懐にはいります。残りの75%をユーザーで分け合います。宝くじは50%が堂本の懐に入りますね。投資行動としては最悪です。
Daigo:まだ競馬や競輪は、好きな馬や自転車の選手がいたりして、楽しめる要素がありますよね。投資としては最悪ですが、娯楽としては、受け入れられるかもしれませんね。
しかし、宝くじは何も生みませんよね。堂本の原本もほとんどかからないにもかかわらず50%が取られます。くじをひくだけですので、娯楽要素もありませんね。
投資に勝てる人の思考
フサ:投資の上手い人は、競馬や競輪に参加するより、会場の運営側に回ろうと考えます。カジノだとルーレットをするよりも、お金を儲けようと思ったらカジノを運営する側にいくか、カジノ会社の株を買ったほうが良いですね。
オンライン証券で購入する株式やFXの還元率は、低いですね。FXはゼロサム・ゲームなので、手数料が0.0003%程度の手数料しかかかりません。ほぼ100%還元されるわけですね。
Daigo:遊びで投資するなら手数料が安い方が良いですね。
先日、銀行に口座開設をしました。営業マンから電話がかかってきました。「金利だとお客様に貢献できないので、リターンのある投資商品で貢献できないでしょうか?」という提案でした。
証券会社とわれわれの利害関係は一致しませんね。
証券会社は手数料をかせがないといけません。そのためには、たくさん売買してもらうか、手数料が高い商品を売りつけようとします。手数料が1%高かったら、リターンが1%低いのと同じですし、証券会社から提案される商品は良くないですね。投資不動産屋も、なかなか信用できませんね。
ケインズの投資家としての腕前
フサ:私はマクロ経済の財政学であるケインズの経済学を信用しています。ケインズ経済学は、市場経済を自動的な安定化作用を備えたものとしてはみなさず、政府が財政出動することで経済を活性化できる考え方です。経済学の世界では、みんなが読んでいる書籍です。
投資家としては有名ではありませんが、実は私のような投資オタクからは好かれているのです。
Daigo:大蔵大臣もやったし、経済学者でもあり、自分で投資をして成功している全てを備えている人は少ないですね。
これからケインズの本を読むのは骨が折れます。
漫画版が出ていて私もオススメしています。
貨幣の一般理論が説明されているので投資をするなら必読の書ですね。
フサ:ケインズがマクロを把握して、投資で大儲けした話をご紹介します。第一次世界大戦で負けたドイツに対して、フランスはとうてい返せないように借金漬けにしました。フランスの大統領は「戦争でただいなる被害を受けたので、けしからん!」と良いどうしても返せないように、戦後保証で借金漬けにさせました。
そのときに、ケインズはフランス大統領に対して、「そんな借金漬けにしても、借金は返ってこないのでやめておきましょう」
と正論をぶつけました。しかし、大統領はケインズに聞く耳を持ちませんでした。
そこでケインズは開き直って、どうせドイツは破綻するので、ドイツの株を空売りしました。これで大儲けしたのです。
その後に、ケインズはロシアのバレーがとても好きだったので、バレリーナと結婚して幸せに暮らしました。
IMFレポートでマクロが見通せる
フサ:IMF(国際通貨基金)が2018年4月18日に出したレポートをご紹介します。
IMFが出している通貨はSDRといいます。
*SDR(特別引出権)は、加盟国の準備資産を保管する手段として創設した国債準備資産。通貨と交換可能。
SDRの価値を決める通貨バスケットは、主要5通貨
(米ドル、ユーロ、人民元、日本円、イギリスポンド)で交際されています。
結局、世界の基軸通貨はドルです。
しかし、ドルはトランプが任期中にめちゃくちゃにする可能性がある、それによってアメリカが破綻する可能性もあるということをIMFも言っています。
日本については、日本政府の財政赤字はGDPの234%もあります。経済破綻したギリシャで160-170%です。しかし、誰も日本は破綻するとは思っていませんね。
中国政府の負債は実は少ないです。計測が怪しいとも言われていますが。
イギリスはさすがの金融大国であり、財政が悪くなっていません。しかし、ブレグジット(EUからの脱退)で先が読めなくなっています。
このように、たとえドルがだめだったとしても、他の通貨も不安定であり、ベンチマークにはなりませんね。
こういうマクロのつかみができるようになると、どこが儲かるかわかるようになってきます。
※実際の動画はこちらです。